l−メントール
特徴
香料として有用な優れた香味をもつ。
作用
- 眠気覚ましになる。
- 気分転換になる。
- 筋肉痛を和らげる。
- 口臭、体臭を防ぐ。
- 頭痛、肩こりを楽にする。
- 傷みやかゆみを鎮める。
- 冷え性には保温作用がある。
匂い
ペパーミント様の清涼感ある香気。
性状
無色の昇華性を有する針状結晶、比重(液体)0.90、融点43℃、沸点216℃、引火点95℃、水に0.05%及びアルコールに可溶し、また油に混和する。
用途
ローズ、ゼラニウム、ラベンダー等の人造花精油、化粧品、歯磨き、タバコ、チューインガム、菓子類、飲料等の調合香料に用いられる。また鎮静剤、麻酔剤、鎮痛剤等の医薬品にも使用される。
ハッカの歴史
ハッカが良く知られるようになったのは、江戸時代に入ってからであり、貝原益軒によると二種類のハッカがあり、「国俗二龍薄荷ト云ヲ用ユベシ是龍脳薄荷ナリ気味香ク辛シ鼻ニトホル。一種非薄荷(ヒメハッカ)ト云ハ香気アシシ用フルベカラズ」といい畑に栽培して葉を摘み取り乾燥して保存しておいたものを煎茶や酒に加えて飲んだり、生葉を加えて食べるとよいと「大和本草」(1709年)に書いてある。
葉の香りが竜脳(ボルネオール)に似ているため竜薄荷といわれていたもので、当時は、ハッカの葉を刻んでタバコのかわりとしてその煙を吸うことで「咽候口歯ノ葉」としたようである。(「和漢三才図会」1713年)
ハッカの別名には、メグサとか、メリグサが江戸時代から言われているが、「広益地錦抄」(1719年)には、「眼目はれいたむは葉を目のふちにはれハ悪血をちらしいたみをととむ」とあってずいぶん古くから行われていたことがわかる。
ハッカの効能と利用法
ハッカの効用については「本草綱目」に主治として、「頭、目を清くし、風熱を除く」(李泉)とあり、李時珍も「葉を揉んで鼻を塞げば鼻血を止める。蜂、蛇傷に塗る」と述べている。発明の項には、「薄荷は、辛し涼である。気味共に薄く云々」と理屈をつけた後「故に能く頭痛及び皮膚の風熱を去る」(元素)という効用をあげている。
要するに特有の香気が頭(額のこと)、目(まぶた)、皮膚に塗れば清涼感があり、気持ちが良くなるということであろう。
また江戸時代に行われた虫刺されなどに葉の汁をつけることもすでに中国でしたことを真似たわけである。日本では、江戸時代以前は用いることが少なかったが、「本草綱目」などの影響で中期ごろには風邪の熱ざましとして広く用いられるようになり、そのため多くの人々が庭に植えたということを寺島良安は「和漢三才図会」に述べている。
在来のハッカの葉には、精油が1.5〜4.0%含まれ主成分のメントールは70〜90%という高含量のため、辛味も強く、おもに薬用として芳香性の矯味、矯臭、健胃、駆風、整腸薬、とするほか、メントールの鎮痛、鎮痒作用を利用してパップ剤などの外用薬とされる。
現在では歯痛や肩こり、筋肉痛などに外用したり、茎葉を保温性の浴料として利用されている。頭痛、肩こりに生葉の汁をつけ、冷え性などには、布袋にたくさん茎葉をつめて、保温性の浴料とする。
参考
- 「香料の化学」 赤星 亮一 日本化学会編・産業化学シリーズ
- 「精解 日本の薬用植物」 小林 正夫
- 「薬草カラー大辞典」 星薬科大学名誉教授 伊澤 一男
- 「中身で見分ける化粧品選び」 山本 一哉 監修
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